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高い評価を得た「大菩薩峠」

2021/2/24 水曜日

『大菩薩峠』は大正末期から終戦近く、幅広く読まれた小説である。
芥川龍之介、宮沢賢治がその内容を高く評価し、貞明皇后はじめ、渋沢栄一、柳田国男もこの小説のファンであったと言われる。メッセージの一部を紹介してみます。

谷崎潤一郎 氏
机龍之介を中心として底を流れている氷のような冷やかさ、骨に沁むような寒さである。

桑原武夫 氏
日本文学は、かって机龍之介ほど蠱惑的な存在のニヒリストを創造しえたことがない。

埴谷雄高 氏
机龍之介について、この盲目の異人物は、作者中里介山をも超えて、なおも生き続け死ぬことはない。

松本健一 氏
中里介山は、近代日本のなかにあって、伝統的な民衆の心性をもっともよく汲み上げた知識人のひとりである。

橋本峰雄 氏
龍之介は日本古代以来のシャーマニズムの巫女の位置に立っていることになる。

吉本隆明 氏
龍之介は、現代精神病理学上からは、あきらかに分裂病性格のほとんど極端にちかいものだということができる。

大宅壮一 氏
神そのものの如き自由人である。

泉鏡花 氏
ただの通俗小説ではない。

山岡荘八 氏
国民文学の最高傑作。

山室恭子 氏
生ある限り決して終わらぬ物語。萩のうわ風ものわびしく、萩のうら風ものさびしい。亮亮と「鈴慕」が流れる。